2019年 特別救急隊・命の絆 FILE-1

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 「60代の父が路上で急に倒れて意識がない。普段通りの呼吸もしていない。」との家族(娘さん)からの通報内容で、消防指令センター職員の口頭指導(胸骨圧迫)がなされるとともに、所轄救急隊及び特別救急隊が出動しました。先着の所轄救急隊が傷病者に接触時、消防指令センター職員による口頭指導のもと、傷病者の知人が胸骨圧迫を実施していました。娘さんの話によると、「飲食店で食事後、店を出たところ突然倒れ意識がなく、呼吸も普段通りでなかったためすぐに119番通報した。その後、消防指令センター職員の口頭指導のもと、一緒にいた傷病者の知人が胸骨圧迫を実施した。」とのことでした。救急隊が知人から傷病者を引き継ぎ、心肺蘇生法を実施するとともに心電図を装着したところ、心室細動(心臓が震えている状態)であったため、除細動器で電気ショックを実施しました。その後も心肺蘇生法を継続し救急活動を実施。車内収容後に自己心拍及び自発呼吸が再開しました。後着した特別救急隊同乗医師により、冷却輸液(脳を守るための冷たい点滴)が実施され、三島救命救急センターへ搬送となり、同センターにて集中治療が行われ、当日に会話が可能な状態まで回復し、4日後に転院(手術目的:植込み型除細動器)となりました。
 娘さんによる心肺停止の早期認識、消防指令センター職員による口頭指導により知人が適切な胸骨圧迫を実施し、救急隊及び医師により的確な処置が施され早期に病院搬送が行われるといった「救命の連鎖」が繋がったことにより、尊い命が救われ社会復帰した事例と考えます。