2018年 特別救急隊・命の絆 FILE-6

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 「60歳代男性が路上で倒れています。意識呼吸がないため、心臓マッサージ実施中です。」との通報内容で、所轄救急隊と特別救急隊が出動しました。先着の所轄救急隊が傷病者に接触時、数名の通行人が傷病者の傍らにおり、そのうちの2名が胸骨圧迫と人工呼吸を実施していました。また、AEDも装着されており、電気ショックを1回実施したとのことでした。所轄救急隊が傷病者を観察すると、意識はないものの、既に自己心拍が再開していましたが、呼吸状態に関しては普段通りの呼吸をしているとはいえず、人工呼吸を実施しながら、救急車内に収容する準備に移りました。すると、救急隊が装着したAEDからショックメッセージが流れ、心電図を確認すると心室頻拍(心臓の鼓動が異常に速い状態)であり、頸動脈にて脈拍も触知できなかったため、電気ショックを実施した後、救急車内に収容しました。車内収容してすぐに特別救急隊が傷病者に接触、救急車に乗り込み三島救命救急センターへ向け搬送を開始し、搬送途上に医師が冷却輸液(脳を守るための冷たい点滴)及び継続する心室頻拍に対する電気ショック並びに薬剤投与を実施しました。その後、再び自己心拍が再開し、病院到着直前に自発呼吸も再開しました。状況を詳しく聴取したところ、通報者は偶然居合わせた高校生で、AEDを取りに行ったのも偶然居合わせた中学生であったことが分かりました。さらに、胸骨圧迫及び人工呼吸を行っていた2名は以前に救命講習を受講された方であることも分かりました。
 傷病者はその後、三島救命救急センターで治療が実施され、5日後には軽く呼びかけるだけで目を開けるようになり、約2週間後には会話ができるまでに回復しました。そこからさらに約1か月の入院加療後に軽快退院となりました。
 本事案は、傷病者が倒れた場所が比較的人通りの多い路上であったことや、通勤・通学の時間帯であったこと、偶然居合わせた方々がそれぞれの役割を懸命に行ったこと、救急隊及び医師による的確な処置及び病院搬送といった「救命の連鎖」が繋がったことにより、尊い命が救われ社会復帰した事例であると考えます。