2020年 特別救急隊・命の絆 FILE-2

一覧に戻る

 「30歳代の男性、胸痛で苦しんでいます。冷汗もあります。」とのご家族からの通報内容で、所轄救急隊と特別救急隊が出動しました。所轄救急隊が現場到着した際、傷病者の方は、自宅の玄関先に立っていました。「119番通報の約10分前から、安静時に胸の痛みを発症し、冷汗も出てきたため救急要請しました。」とのことでした。救急隊が観察したところ、会話は可能でしたが、胸痛は続いていると聴取しました。直ちに救急車内へ収容し、酸素投与等の処置及び心電図波形を確認したところ、急性心筋梗塞を疑わせる所見が認められました。その後、後着した特別救急隊同乗医師により即座にエコー検査が行われるとともに、点滴処置及び血管拡張薬の投与がなされ、速やかに三島救命救急センターへ搬送開始となりました。搬送開始直後に傷病者の方の意識がなくなり、心肺停止状態となったため、直ちに心肺蘇生法を行うとともに、心室細動(心臓が震えている状態)を認めたことから、除細動器で電気ショックを実施しました。その後も心肺蘇生法を継続し、2分後に2回目の電気ショックを行ったところ、心拍及び呼吸が再開し、病院到着前にはお話しもできるようになりました。その後、傷病者の方は、精密検査や容態の安定化等の目的から、三島救命救急センターに入院となりましたが、約2週間後に後遺症なく軽快退院となりました。
 迅速な119番通報、救急隊及び特別救急隊同乗医師の連携による的確な観察及び救命処置等の実施により、尊い命が救われた事例です。