食中毒に気をつけましょう

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食中毒といえば数年前のO-157の流行がありました。食中毒は、抵抗力の弱い高齢者や乳幼児・夏バテなどで弱ったときなどに感染・発病しやすく、最悪死に至ることもあります。では、食中毒を予防するにはどういったことに気をつければよいのでしょうか?

食中毒って?

O-157・サルモネラ・腸炎ビブリオ・カンピロバクター・ブドウ球菌などの細菌感染により腹痛・嘔吐・下痢・発熱などの症状を起こすものをいいます。  水分・塩分の補給で自然に治るケースもありますが、血便や尿量の減少・口渇などの症状がみられる場合はすぐに医療機関で受診しましょう。

食中毒予防の3原則 「つけない、増やさない、殺菌する」

  • つけない
    病原菌を食品につけないようにしましょう。 料理の前にはしっかり手を洗い、調理器具や食器なども清潔にしておきましょう。
  • 増やさない
    多くの細菌は、室温で爆発的に増殖します。 食品は新鮮なものを購入し、冷蔵・冷凍で保存し、早めに使い切りましょう。
  • 殺菌する
    多くの病原菌は高温で死滅します。食品を十分加熱し火を通しましょう。

食中毒の原因となるおもな病原菌

  • 「O157」
    大腸菌は、家畜や健康な人の腸内にも存在します。ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかのものは、人に下痢を起こすことがあり、病原性大腸菌と呼ばれています。「病原性大腸菌O157」はこの病原性大腸菌の一種です。 感染経路は、この菌を保有する家畜あるいは保菌者の糞便中の菌により汚染された食品や水(井戸水等)による経口感染、人から人への感染、食品の不衛生な取扱いなどといわれています。
  • サルモネラ
    もともと自然界に広く分布し、家畜・家禽、ペットなども保有しています。一般に1g中に10,000個以上の菌が増殖した食品を食べると感染し、急性胃腸炎をおこします。しかし、幼児や高齢者はわずかな菌量でも感染します。感染経路としては、食肉、卵などが主な原因食品です。特に近年では鶏卵のサルモネラ汚染率が増加し、卵内にも菌が認められることがあるので注意が必要です。また、ペットからの感染も要注意です。
  • 腸炎ビブリオ
    細菌性食中毒の中で、最近までもっとも発生件数の多かったものが腸炎ビブリオによる食中毒です。この細菌は海水や海中の泥の中にすみ、夏になると集中的に発生します。感染経路としては魚介類などの海産物があげられ、魚介類のえらや内臓についた病原菌が生食の刺身などにする際に付着して感染します。また、魚介類に付着した病原菌が冷蔵庫の中やまな板などを通して他の食品に付着しその食品から食中毒を起こすこともあります。
  • ブドウ球菌
    ブドウ球菌は自然界に広く分布しており、健康な人の皮膚やのどなどにもいます。しかし、この細菌が食中毒をおこすのは、汚染された食品の中で毒素をつくるときだけです。ただし、いろいろな食品の中で増殖し、毒素は熱や乾燥にも強いという性質があるので、注意が必要です。  ブドウ球菌による食中毒は、さまざまな食品が原因となります。ほとんどの場合、菌が調理する人の手から伝わって食品に取り込まれます。
  • カンピロバクター
    最近になって発生件数が増え、注目されている食中毒菌です。ふだんは鶏や牛などの腸に住み、食品や飲料水を通して感染します。  少量で感染し、人から人へ直接感染したり、ペットから接触感染する例もあります。生の鶏肉や牛肉が感染源となることが多く、生乳などの畜産品や飲料水などから見つかった例もあります。また、犬や猫などのペット、ネズミなども保菌しているため、これらから感染することもあります。
※このほかにも多種の菌が食中毒の原因としてあります。